日本で一番高い山と言えばぶっちぎりで富士山であることには間違いありませんが、2番目になりますと「どこだっけ!?」なんて知らない人も多いかもしれません。山好きなら誰もが愛する山、それが南アルプスの北岳です。クライマー憧れの岩稜「北岳バッドレス」も有名ですが、1泊2日で周る一般コースを紹介していきたいと思います。
山梨県にある芦安村から出発
北岳を目指す一般的なルートは標高約1500mにある広河原がスタート地点となります。ですが、南アルプスではマイカー規制が敷かれていますので自家用車で広河原まで行くことはできません。ですので、山梨県側からアクセスする方は芦安にある無料駐車場に車を停めて、そこから出発することになります。27年時点での始発バスは休日が5:15発、平日が6:00発となっており、広河原まで約1時間山道を走っていきます。
広河原から山頂を目指す
北岳の標高は3192mですので、約3200mと考えると標高差は1700mあります。一日でこの標高差を登っていくのが困難と言う方は白根御池小屋(2230m)がありますのでそこで一泊することを考えてもいいかもしれません。ご紹介しますのは健脚者向けですので予めご了承くださいませ。
樹林帯は割りにすぐ、抜けることができますが暫く背の高い草木が生い茂る道を歩き、2時間くらい歩いていると夏でも雪渓が残る大樺沢に出ます。夏の間は花がとても綺麗ですので、ハクサンフロウやミヤマミミナグサ、クガイソウ、ミヤマハナシノブ、他にもたくさんの高山植物を観察することができますので、お天気がよければゆっくりと進むことをおススメします。
八本歯のコルへ
雪渓の近くまで来ますと、正面になんとも厳めしいバッドレスが出現します。流れてくる沢を左へ進むと、次第に傾斜も急になってきて大分酸素が薄くなってきますのでペース配分に注意しながら登っていきます。木製でできた少し頼りなさげに見える階段ですが、歩いてみるとしっかりしていますので問題なく先へ進むことができます。これでもか、というほどきつい登りの階段を登り切ると少し休憩することのできるスペースのある八本歯のコルにでて、そこから北岳山頂を目指し、その後北岳山荘に宿泊します。八本歯のコルから北岳山荘へ、山頂をスルーして向かうこともできますので、悪天候の場合や、翌日北岳に向かう際にはとても便利です。
北岳山荘に宿泊
北岳山荘は、山頂から間ノ岳方面に少し下った所にあるとても綺麗な山荘です。50人宿泊可能で、団体の場合を除いて原則予約不要となっています。料金は2011年時点で1泊7900円、素泊まり5200円、翌日朝早く出発する場合にはお弁当のサービスもありますので至れり尽くせりです。ですが、2日目は20km以上歩くことになりますので小屋に早く着いたからといってビールでの祝杯はほどほどに。
夜明けとともに出発
2日目の行程が長い為、できるだけ早い時間に小屋を出発したいところですが間ノ岳までの稜線は当然曲がり角もあれば、幅は広けれど崖になっている箇所もありますので暗いうちの出発は控えたほうがいいでしょう。
運がよければ中白根あたりでご来光を拝むことも可能ですが、慌てずとも稜線からなら天気が良ければほぼ拝むことができますので最高の朝を迎えることができます。
間ノ岳、農鳥岳を経て奈良田へ
最近日本で3番目に高い山に昇格した間ノ岳は、見た目にはわかりませんが山頂までゴーロ状で窪地のようになっています。山頂に着いたらここで朝食とコーヒー休憩をとり、先へ進むとすぐに今度は静寂なる農鳥岳が姿を見せてくれます。
山好きには有名な農鳥小屋の横を通過して、まずは西農鳥岳を登ります。実はこの西農鳥のほうが農鳥岳よりも標高は高いです。
農鳥岳からは、振り返ると昨日今日と歩いてきた間ノ岳が北岳並んでよく見えます。それから大門沢へ下っていきますが、途中で廃道になっている旧道がありますので、そこへ行ってしまうととても危険な下り一直線のコースになりますので注意が必要です。
かなり無茶をして奈良田のバス停まで
あとは長い沢沿いの道を延々と歩いて、15:20までには奈良田のバス停に行かないといけませんのでかなりハードです。ですが、もしバスの時間まで余裕が作れたのでしたら奈良田の里温泉に寄ることをおススメします。
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