箱根山の火山活動が活発化したのは記憶に新しいところです。現在のところは噴火警戒レベルが3となり、入山規制の措置が取られていますので、箱根山の観光はできるの?という心配もあります。
実際のところ、箱根山の観光はどこまで出来るのかを探りました。
いまどのくらい噴火してるか
2015年6月30日、気象庁は噴火警戒レベルが3に引き上げ、9月現在もこの状態が維持されています。気象庁によると、大涌谷の周辺の火口域から、およそ700メートルの範囲あたりが、噴火が発生する可能性があって危険な区域であると見られています。つまり大涌谷の観光名所はすべて含まれることになっていて、大涌谷の観光業はストップしています。
現在でも火山灰や有毒な火山性ガスなどの噴出が確認されているのであって、立ち入ると危険な状態は続いています。
気象庁によれば、火山性地震の回数は6月26日から30日までが806回にのぼっていました。7月には234回、8月には70回ということで、徐々に減ってきてはいますが、9月に入っても依然として火山活動自体は収まっていません。箱根山の噴火の盛況により、神奈川県の各所で硫黄の臭いが確認されるなどの現象も確認されています。
今後どんな危険が想定されるのか
箱根山では詳細な防災マップが作られており、今後発生しうる危険性が図上で指摘されています。気象庁の関連ページで公開されています。
それによりますと、箱根ロープウェイの大涌谷駅と大涌谷の付近は「火砕サージ」が発生する可能性のある地域として位置づけられています。火砕サージというのは火砕流に比べて火山性ガス濃度が濃く、乱流を発生させるという危険な現象です。人間が巻き込まれると絶望的な状況になるでしょう。
そして箱根山の谷に沿って、熱泥流や土石流が発生し、芦ノ湖方面や周辺の市街地に流れ込む危険も指摘されています。火砕流や土石流の危険については、長崎県の雲仙普賢岳のケースでもよく知られている通りです。
この防災マップは箱根山が仮に大きな噴火をした場合のことを想定しているのですが、これを想定しておくことは、箱根周辺住人や観光客の安全のためにも、必要なことなのでしょう。
もし箱根山が大噴火すると、関東地方まで火山灰が降り、火山性ガスが覆うことになると言われています。東京をふくむ関東地方の経済に多大な影響をあたえるという懸念があるのです。それだけに、関東地方のかたは箱根山の火山活動の状況や、防災マップなどには目を通しておいたほうがよいでしょう。
箱根山と大涌谷の観光はほぼ不可能
入山規制が行われている箱根山の大涌谷ですが、2015年9月時点でロープウェイは運休しており、大涌谷駅は利用不可能となっています。再開の見通しは立っていませんが、代替バスは一部区間でで動いているとのことです。
大涌谷の中心地へ足を踏み入れることができなくなっているのと同時に、大涌谷の間近にあった施設も営業停止となっています。大涌谷で最大の観光施設は黒たまご館が有名でしたが、わくわくキッチンやくろたまショップなど、全てが現在利用できません。
それでも箱根観光は可能
とはいっても、半径700メートルの立ち入り禁止区域より外側での観光は、依然として可能となっています。箱根を観光するなら箱根山を避ければ大丈夫という情報は持っておくべきでしょう。
たとえば箱根といえば芦ノ湖が思い浮かびますが、芦ノ湖周辺では噴火の影響は現時点でほとんどありません。箱根山側からの道路が利用できないという問題はあります。
そして彫刻の森美術館とその周辺地域も、観光は可能となっています。箱根山と大涌谷へ行けなくても、箱根の楽しみ方はいろいろあるでしょう。
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